Qi2非対応のAndroid端末でのQi急速充電に対応しており、冷却機能とマグネット(Magsafe)を備えた、UGREEN社製の充電スタンドについて、実際に購入して使用した感想をレビューしていきます。
説明書にはUGREEN Magnetic Wireless Car Charger
と記載されておりますので、以降はこの名称で記述します。
とはいうものの、同社に同名の別製品も存在するようなので正式名称は不明...
楽天商品リンク
Amazonは商品ページが消えていました...
※当記事に掲載されている商品リンクは、すべてアフィリエイトリンクではありません。
総評
総合満足度 | ★★★★★ |
---|---|
ユニーク性 | ★★★★★ |
外観・デザイン・使用性 | ★★★★★ |
充電性能 | ★★★★★ |
静音性 | ★★★☆☆ |
冷却性能 | ★★★★☆ |
コスパ | ★★★★☆ |
「Qi2ではなくQi対応」「冷却機構搭載」「Magsafe(マグネット)搭載」 の3つを兼ね備えており、Android端末でMagsafe充電器を利用したい人には数少ない選択肢の一つになります。
製品として完成度が高く、とても良い製品だと感じました。オススメ。
※iPhoneで利用する場合は、他にもっと良い製品があるのでオススメしません (普通にQi2充電器を買いましょう)。
以下、詳細レビューになります。
使用環境
- 使用端末はAndroid(Xperia 1VI)。
- 端末はいたわり充電機能を利用し、充電上限値を80%に制限。
- Magsafe用のマグネットが埋め込まれたスマホカバーを装着。
- ケーブルは付属のものではなく社外品のものを使用。
- 車内ではなくデスク上での利用。
ユニーク性
★★★★★ 5/5
繰り返しになりますが、「Qi2ではなくQi対応」「冷却機構搭載」「Magsafe(マグネット)搭載」の3点を兼ね備えている製品は非常に少ないです。
何故「Qi2ではなくQi」で「冷却機構」が必要なのかというと、以下の2つの理由があります。
Qi2の互換性の問題
Qi2はQiの後継となるワイヤレス充電の規格であり、後方互換があるとよく紹介されていますが、実際には大きな問題点があります。
それは、「Qiの15W充電には対応しているがQi2には対応していないAndroid端末」でQi2充電器を利用すると、5W程度の低速充電になってしまうというものです。 *1
また 2024/10 時点では、Qi2規格に対応したAndroid端末は自分の知る限りでは存在しません。
そのため、Androidユーザーがワイヤレス充電器を購入する際には、Qi2ではなくQi対応のものを購入する必要があります。
ワイヤレス充電による発熱
ワイヤレス充電は有線充電に比べて発熱しやすく、バッテリーの温度が高くなりやすいという欠点が存在します (Android端末,iPhone関係なく)。
バッテリー温度が高くなると単に不愉快という以外にも、過度な発熱を防ぐために制限がかかり充電速度が下がったり、バッテリー寿命の低下といったことに繋がります。
そのため、一部のワイヤレス充電器充電器には発熱を抑制するための冷却機能が備わっているものがあります。
外観・デザイン・使用性
★★★★★ 5/5
車載用となっていますが、底面の接着面は使わずにただ置くだけでも安定感があり、卓上スタンドとして十分に使えます。
スマホを装着した例。
もう少しだけ高さが低くても良い気はするが、様々な端末に対応させることを考えるとこれがベストなのかも。マグネットの磁力も必要十分。
スタンドは金属製。
充電ユニットに関しては、背面パーツが樹脂になっていると思われるが金属部分とほとんど見分けがつかず、安っぽさは全く感じません。
充電中は電源ユニット背面のLEDが点灯する。背面から確認しない限り気づかない位置・明るさなのが個人的にありがたい。
また、電源ユニットはスタンドから外すことができるため、スマホを手に持って使用したい場合にも使用可能。
充電機能をOFFにして、冷却機能のみを利用する といったことはできません。
全体的につや消しで高級感があり、指紋は全くつかないのがGOOD。
ただし充電ユニットの前面(スマホとの接触部分)のみ、つやのある樹脂のようになっているため反射・指紋は目立ちます (画像は意図的に指紋を付けています)。
充電性能
★★★★★ 5/5
前述の通り、Qiでの最大15W充電に対応しています。Qi2には非対応であるためiPhoneでは7.5Wになります。
Xperia 1VI に関してはQi充電の最大電力は一般的な15Wではなく12Wとなるため、この充電器でも約12W充電となります。
Galaxy端末の急速充電(15W)の対応を確認したとの報告(Amazonレビュー)もあるので、Qi充電に対応している製品であれば問題なく使用できるかと思います。
スマホは装着せず冷却ファンのみが作動しているときの測定値(8~10W程度)。
※ケーブル接続直後のみ、スマホを充電していなくても冷却ファンが数秒間作動します。
充電中の測定値 (21~22W程度)。
冷却ファン分の電力を差し引くと、12W程度で給電されていることがわかる。
静音性
★★★☆☆ 3/5
スマホを接続していない状態ではファンは動かず、充電中のみ動作します。※ただしケーブルを接続した直後のみ数秒間ファンが動作します。
ファンの騒音に関しては、ある程度音は鳴ります。
感覚としてはノートパソコンのファンがフル回転している時の音と近く、イヤフォンやヘッドフォンを付けているとほとんど聞こえなくなる程度ではあります。
デシベルを測定するスマホアプリで確認したところ 40~50dB
程度でした(信用できる値かは微妙)。
扇風機の音と比較すると、音量自体は小さいものの高音気味で少し目立つ。
車内で使用する場合は全く気にならないと思いますが、静かな環境で使用している場合だと神経質な方は気になるかも知れません。
- UGREEN Magnetic Wireless Car Charger の音 (音量ではなく音の傾向の参考に)
- 扇風機の音 (音量ではなく音の傾向の参考に)
冷却性能
★★★★☆4/5
ワイヤレス充電によるバッテリー温度の上昇はかなり抑えることができており、発熱によって充電速度が下がるといったことも起きていません。
端末を取り外した直後に接触部分を触ると、常温もしくは常温より僅かに温かい程度に抑えられています。
30W有線充電をしている場合よりも明らかに発熱は抑えられており、バッテリーの長寿命化にも多少なりとも貢献していると思います。
触って冷たさを感じるほどでは無いので、ペルチェ素子は搭載されていないのかも?
ただしペルチェ素子が搭載されているからといって冷却性能が優れているという訳ではないため、気にする必要は無いと思います。※詳しくは後述
SoC部分(端末上部)は暖かくなる程度には発熱します。
ゲームなど負荷のかかる作業での発熱を抑えるためのものではなく、あくまで充電時の発熱を抑えるためのものであることに留意が必要です。
室温26℃の環境で80%まで充電し、スマホの内部温度を確認できるアプリで確認したところ、CPU: 38~40℃程度、 バッテリー: 34~38℃程度でした。
また、充電機能をOFFにして、冷却機能のみを利用する といったことはできません。
他社充電器との比較
以下の2製品との簡単な比較を行います。
ノーブランド ペルチェ素子冷却Magsafe充電器
ノーブランドの冷却Magsafe充電器で、Qi規格15対応。
Amazonリンク- 主な特徴
- 冷却機構としてファンに加えてペルチェ素子を搭載しており、冷却部分を触ると冷たい。
- Qi15W充電にまで対応しているらしいが、Xperia は12Wではなく10Wまでしか充電できない(仕様?)。
- 背面が17mmボールジョイント構造になっており、拡張性は多少あるが卓上スタンドとしては無駄にかさばる。
- 車エアコンホルダーの他に、スタンドも付属するが両面テープ無しではまともに使えない。
卓上スタンド用途としてはおすすめしません。
- 主な特徴
3COINS Magnetic Wireless Charger
3COINSにて1000円で売られているMagsafe充電器で、Qi規格15W対応。
冷却機構は搭載されていませんが、安価なのでお試しとしては悪くないかも?
充電時のバッテリー温度推移の比較
MAX(80%)まで充電した際のバッテリー温度の推移をそれぞれの充電器と比較。
室温は26℃前後ですがその他の条件は厳密に揃えているわけではないのであくまで参考程度に。
UGREEN Magnetic Wireless Car Charger
32~35℃程度の推移ノーブランド ペルチェ素子冷却Magsafe充電器
34~37℃程度の推移3COINS Magnetic Wireless Charger
33~42℃程度の推移結果まとめ
UGREENのとノーブランドのものを比べると、前者には(恐らく)ペルチェ素子が搭載おらず、後者ではスマホの背面を触ると(接触部分のみ)ヒンヤリとするくらいペルチェ素子の効果を感じるのですが、実際には冷却性能にほとんど差が無いことが分かりました。
端末にケースを付けているというのも関係していると思いますが、この結果は予想外でした。
そして冷却機構が無い 3COINSのものを見ると、温度がかなり上昇しており、実際に手で触っても明らかに温度が高いのが分かります。
今回のケースでは充電速度の低下は起きていないように見えますが、環境によっては十分起こりうると思います。
3DMark Wild Life Stress Test 実施時の比較
電池残量MAX(80%)で充電器を接続した状態で、3DMark の Wild Life Stress Test を行った結果を比較。
参考になるデータかどうかは微妙ですが、極端に冷却性能に差があればテスト結果も差が出るだろうということで一応実施。
なお3COINS Magnetic Wireless Chargerは単純な充電の段階でかなり発熱していたので省きます。
UGREEN Magnetic Wireless Car Charger
ノーブランド ペルチェ素子冷却Magsafe充電器
結果まとめ
こちらの結果も一部違いはあるものの、ほとんど差が無いような結果になりました。
結論として、(少なくとも私の利用環境では)冷却性能にペルチェ素子の有無はほとんど影響しない という事がわかりました。
コスパ
★★★★☆4/5
普段の価格は4600円と少し高めですが、セールで3600円ほどになるのでその時が狙い目です(2024/10/18現在、Amazonにてセール中です)。
ただ定価で考えても、他に同等の充電器がほとんど無いことを考えると妥当な価格だと思います。
まとめ
総合満足度 | ★★★★★ |
---|---|
ユニーク性 | ★★★★★ |
外観・デザイン・使用性 | ★★★★★ |
充電性能 | ★★★★★ |
静音性 | ★★★☆☆ |
冷却性能 | ★★★★☆ |
コスパ | ★★★★☆ |
現在(2024/10)までのAndroid端末における、ワイヤレス充電の問題点を解決しているかなり良い製品だと思います。
*1:ごく一部の製品では、Qi端末を高速充電することができるQi2充電器も存在するようですが、それを製品仕様から判断することはできず実際に使ってみるまで分かりません